アロマ=芳香。香りです。ハーブと言われる植物には、素敵な香りを持つ植物がたくさんあります。そんな素敵な香りに誘われてハーブの勉強を始めたという方も少なくありません。でもハーブという時、香りだけではなく、その植物の全体、そして含まれている全ての成分分子が対象になります。植物に含まれるフィトケミカル(機能性成分)は、健康維持のために私たちに大きな力を与えてくれています。この植物の大きな力を借りて健康に、豊かな生活に役立てる療法をフィトテラピーと言います。
植物に含まれる香り成分は、植物全体の約1%前後と言われています。気分や体調によって同じ香りでも好ましいものになったり、嫌なものになったりしますね。香りは実に私たちの心の鏡のような存在、そのくらい大きな影響を私たちに与えています。この植物の香りに特化して、生活の中で、健康維持のために活用しようというのがアロマ、アロマテラピーです。長い歴史の中で蒸留技術が進歩し、精油というものが使えるようになり、香りの効能はますます大きなものになりました。
したがってアロマテラピーにおける香りとは、元は植物ですが、香り成分のみを集めた精油そしてハーブウオーターを用いた療法ということになり、ハーブ強いて言えば植物の総体を対象とするフィトテラピーとは使い方や注意事項も大きく異なるのです。まずはハーブを扱う、考えるということと、アロマを扱う、考えるということは違うということを知っておくことが大切です。
この講座では、上記を前提に、精油について、使い方や注意事項など基本的なことを学んでいただきました。合わせて希釈基材としても使われる植物油について、また蒸留で抽出できるハーブウオーターについても学んでいただきました。
実習ではまず、身近に使う可能性の高い10種類の精油を提示し、それぞれの香りをかいでみます。植物の香りとの違いやいいなと思う香り、どんな印象かなど書きとめ、効能や禁忌事項などについても確認、吸入体験、アロマバスオイルでの手浴の体験など行いました。
また蒸留の実際ということで、レモングラスの蒸留を行い、蒸留装置の仕組み、精油とハーブウオーターの違い、得られる成分分子の違いなどを学習しました。
クラフト作りでは、石鹸素地、植物油、乳化剤などを希釈基材として、アロマ石鹸、ハンドクリーム、アロマバスオイルなど作りました。精油は必ず希釈して使います。よくやりがちなお風呂の浴槽に精油を数滴垂らして入浴するということは決してしないように、精油で香り付けしたバスソルトも同じです。水は皮膚から浸透しませんが、精油のように分子量の小さな油性のものは浸透します。原液の精油が肌から浸透する危険はさせたいものです。また蒸留で抽出したレモングラスのハーブウオーターを使って防虫忌避剤を作りました。
今回もまた学ぶこと、行うことがたくさんある講座でしたので、大変だったと思いますが、また色々な場面でお話しする機会を持っていきたいと思っています。





